
40代で転職をした話。「もう手遅れかもしれない」という気持ちを押し殺しながら、一歩踏み出した体験談をお話しします。
目次
転職を決意したきっかけ
42歳、地方の工場で製造ラインの作業員として働いていました。朝8時から夜8時まで、機械の音が鳴り響く中、同じ作業を繰り返す毎日。
働き始めて15年、月の手取りは20万円前後。昇給はほとんどなく、年2回のボーナスも雀の涙程度です。2歳の子どもがおり、妻はパートで10万前後。
| 工場勤務の年収 | |
|---|---|
| 月給 | 20万円(手取り) |
| ボーナス | 年2回で30万円程度 |
| 年収 | 280~320万円ほど |
「40代になったら、もう上には上がれない」それは職場の誰もがわかっている暗黙の了解でした。
子どもの進学、住宅ローン、そして老後。お金の不安は年々増えていく一方なのに、給料はほぼ据え置き…。休日も疲れて寝てばかりで、家族と過ごす時間はほとんどありませんでした。正直、このまま定年まで働き続ける自分の未来にうんざりしていました。
飲み会での言葉
転職を意識したきっかけは、上司からの一言でした。
「もう40代だし、正直ここから昇進は難しいよ。」
飲み会の帰り道、笑いながら言われた言葉でしたが、僕には冗談に聞こえませんでした。このままじゃ、家族を守れない――そう強く感じた瞬間、転職を本気で考え始めました。
転職活動の最初の壁
次の日、スマホで「40代 転職」と検索しました。出てくる記事はどれも厳しい言葉ばかり。
「40代の転職は絶望的」
「資格やスキルがなければ採用は難しい」
特別な資格もスキルもない自分にとって「まぁ、そりゃそうだよな」と。それでも何もしないわけにはいきません。とりあえず転職サイトに登録して求人を探し、片っ端から応募しました。
最初は転職活動のやり方がまったく分からなかったので、とりあえず有名どころの転職サイトに3つほど登録しました。
登録した転職サイト
- リクナビNEXT(求人数が圧倒的に多い)
- マイナビ転職(地方求人や中小企業が多め)
- doda(エージェント機能が充実)
最初はそれぞれのサイトを使いながら、片っ端から応募していました。しかし、やみくもに応募してもなかなか結果が出ません。
そこで、自分に合った使い方を考え直すことにしました。dodaではエージェントに相談しながら職務経歴書を改善し、マイナビでは地元企業を中心に応募。
そして最終的には、リクナビNEXTのスカウト機能をメインに使うようになりました。企業から直接オファーが届くこの機能のおかげで、少しずつ面接のチャンスが増えていったんです。
…ところが、そこからが本当の試練でした。
10社に応募して、書類選考を通過できたのはわずか1社だけ。その1回きりの面接も、グダグダで結果は不採用。
「やっぱり40代で未経験なんて無理なのか…」
そう思うたびに、自信がどんどん削られていき、もう転職はいいかと半ばあきらめてました。
工夫と戦略で突破口を見つける
落ち続ける日々が続く中で、思い切ってやり方を変えることにしました。
まずは職務経歴書をゼロから見直しました。最初はテンプレートをそのまま使っていましたが、「どんな仕事をしてきて、何を学んだのか」を自分の言葉で書くようにしました。
そして、ただ応募するだけではなく、「企業側から声をかけてもらう仕組み」を利用することにしたのです。
これが思った以上に効果的でした。「未経験でも歓迎」「40代でも安心して働ける」という会社から、少しずつオファーが届くようになったのです。
最初にスカウトメールが届いたときは、「これって本当に自分に興味があるんだろうか…?」と半信半疑でした。
ですが、何通も届くうちに「思ったよりも可能性はあるのかもしれない」と感じるようになりました。それまでは応募しても落ち続けていたので、少し希望が見えてきた瞬間でした。
内定で決め手となったポイント
最終的に内定をもらったのは、物流業界の管理職候補でした。
面接では、これまでの現場経験を「強み」として語ることを意識しました。
「現場で15年間働いてきた経験を活かし、チームをまとめる立場として貢献したいと思っています。」
正直、パソコンスキルも専門知識もありません。それでも、自分がやってきたことは無駄じゃないと信じて話しました。
面接官は真剣に話を聞いてくれ、最後にこう言ってくれました。
「経験よりも、人柄や責任感を重視しています。」
面接官にそう言われたとき、心の中で小さく“え?”とつぶやきました。
これまでの面接では、厳しい顔で「経験が…」と突き返されることばかりだったので、
この言葉が妙に優しく聞こえたのです。
もしかして…これは脈ありなのか?
そう思いながらも、確信が持てず不安な気持ちのまま面接を終えました。
そして翌日、スマホに着信が。
恐る恐る電話に出ると、「ぜひ一緒に働いてほしい」という採用担当者の声が聞こえてきました。
その瞬間、全身の力が抜けて、思わず深く息を吐きました。
転職して3か月。
最初は覚えることが多すぎて毎日が必死でした。しかし、前職に比べて体力的な負担はかなり減り、心にも余裕が生まれました。
| 管理職の年収 | |
|---|---|
| 月給 | 28万円(手取り) |
| ボーナス | 年2回で80万円程度 |
| 年収 | 420万円ほど |
給料は手取りで8万円、年収で100万程度アップしました。これまでできなかった貯金も、少しずつですができるようになりました。
そして何よりも嬉しいのは、家族と過ごす時間が増えたこと。
土日に子どもと遊んだり、妻と外食に行けるようになったのは本当に大きな変化です。
もちろん、まだまだ大変なことはあります。でも「このままじゃダメだ」と悩んでいた頃とは、心の軽さがまるで違います。
40代で転職するコツ
40代・スキルなしの転職は確かにハードルが高いですが、正しい準備と戦略をとれば十分成功可能です。ここでは「40代・未経験・資格なしでも転職できる方法」を、わかりやすく項目を分けて解説します。
1現実を受け入れる:自分を客観的に知る
まず大切なのは、「40代で未経験」という状況を冷静に受け止めることです。
40代の転職
- 即戦力としては見られにくい
- 採用企業はポテンシャルよりも安定感・責任感を重視
- 求人は20代・30代よりも少ない
この現実を踏まえたうえで、自分の強みを整理しましょう。たとえスキルや資格がなくても、
40代の強み
- 人間関係を築く力(調整力・コミュニケーション力)
- 長年働いてきた経験(勤続年数・体力・忍耐力)
- 責任感・誠実さ
などは40代ならではの武器になります。まずは自己分析をして「自分に何ができるか」を明確にすることがスタートラインです。
40代・スキルなしの転職活動では、「自分には特別なスキルがない」と思いがちですが、実はこれまでの仕事の中で身につけてきたことが強みになるケースは多いです。
ここでは、自分の経験を振り返るための具体例をいくつか出します。これらをヒントにして、自分の強みを整理してみてください。
現場経験を活かす強みの例
- 安全意識を徹底して仕事をしてきた経験
- 正確さ・スピードが求められる作業を続けてきた
- 体力・持久力がある
- 後輩の指導・育成経験がある
- 報告・連絡・相談をきちんとできる
- 遅刻・欠勤が少ない、安定して勤務できる
- 任された仕事は最後までやり遂げる
1複数の転職サイトに登録する
40代の転職は情報戦です。最初から1つのサイトに絞るのではなく、複数サイトに登録して幅広く求人を探しましょう。
おすすめは以下の3つです。
転職おすすめサイト
- リクナビNEXT:求人数が圧倒的に多く、スカウト機能が優秀
- マイナビ転職:地方・中小企業の求人が豊富
- doda:エージェントによるサポートが手厚い
複数登録することで、求人の取りこぼしを防ぎつつ、それぞれの強みを活かせます。最初は「どれが自分に合うか分からない」状態でもOK。実際に使いながら、自分に合ったサービスをメインに絞っていきましょう。
3スカウト機能をフル活用する
40代の転職で大きな武器になるのがスカウト機能です。
自分のプロフィールを登録しておくと、企業側からオファーが届きます。これは「あなたに興味があります」というサインなので、書類通過率が高くなるのが特徴です。
自分から応募しても落ちる。
面接までたどり着けない。
こうした状況を打破するために、スカウト機能は必須です。特に「職務経歴」「自己PR」は手を抜かず、誠実さと責任感を伝えましょう。
4職務経歴書を“人柄重視”で作る
40代・未経験の場合、企業は「これまで何をしてきたか」だけでなく、どんな人物なのかを重視します。そのため、職務経歴書はスキルよりも「人柄」「責任感」「安定感」を前面に出すとよいです。
仕事内容の書き方。
単に「やりました」「担当しました」では、仕事のレベルや成果が伝わりません。採用担当者は「具体的な行動」と「結果」を知りたいので、両方をセットで記載しましょう。
悪い例
良い例
チーム内で業務改善提案を行い、作業効率を10%向上させました。
長期勤務を通じて、責任感と忍耐力を培いました。
職務経歴書は「事実を分かりやすく伝える書類」です。そのためには
『具体的な数字を入れて、成果を見える化する』
『箇条書きで整理して、見やすくまとめる』
『行動+結果をセットで書いて、説得力を高める』
この3点は必須です。この3点を意識するだけで、同じ経験でも印象がガラッと変わります。「ただ仕事をしてきた人」から「結果を出せる人」へと、採用担当者の目に映る姿が変わるのです。
自己PRの書き方
自己PRを書くときは、単に「頑張ります」「誠実に働きます」といった抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードを交えて信頼感を伝えることが大切です。採用担当者は、これまでの実際の経験や行動を通して「この人はどんな働き方をしてきたのか」を知りたいと考えています。
特に40代・未経験の場合は、スキルよりも人柄や姿勢が重視されるため、「誠実さ」「責任感」「安定して働ける安心感」をどう伝えるかがポイントになります。
悪い書き方
責任感を持って仕事をしていきたいです。
良い書き方
特に新人指導や業務改善など、自分から一歩踏み込んで取り組むことを意識してきました。
未経験分野ではありますが、これまで培った現場経験とチームワークを活かし、
早く業務を習得して貢献できるよう努力いたします。
5未経験歓迎・40代採用OKの業界を狙う
40代・スキルなしでもチャンスがある業界を狙いましょう。
代表的な業界
- 物流業界(倉庫管理・配送)
- 介護・福祉業界
- 設備管理業界
- 営業職(人柄重視で採用されやすい)
- 製造業(管理職候補としての採用もあり)
これらの業界は人手不足のため、経験よりも人柄や安定して働けるかどうかが重視されます。
6書類選考に落ちても気にしない
40代転職では、応募しても書類落ちが当たり前です。10社応募して1社通れば上出来と考えましょう。
「僕は最初の10社は全滅でしたが、リクナビNEXTのスカウト経由で面接に進めるようになり、最終的に内定をもらえました。」
大事なのは、落ちても落ち込みすぎず、淡々と応募を続けることです。
7最後は“継続”が鍵
40代転職で一番大事なのは、諦めずに続けることです。
最初は落ちて当たり前。
面接で失敗しても当たり前。
少しずつ改善していけば、必ずチャンスは巡ってきます。僕自身も最初は何度も落ちましたが、諦めずに行動し続けた結果、最終的には手取り20万円から28万円にアップする転職に成功しました。僕が転職活動でメインに使っていたのは、リクナビNEXTでした。
特に役立ったのが、企業から直接オファーが届く「スカウト機能」。さらに未経験歓迎の求人が多いので転職に悩んでいるなら、まずは情報を集めることから始めてほしいです。
まとめ:40代転職はまだ間に合う
40代での転職は決して簡単ではありません。スキルや資格がない状態では、結果が出るまでに時間がかかることもあります。
それでも、僕は行動することで人生を変えることができました。「どうせ無理だろう」と思っていた自分が、今では新しい職場で前向きに働いています。
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